テウトニ族(読み)テウトニぞく(その他表記)Teutones

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テウトニ族」の意味・わかりやすい解説

テウトニ族
テウトニぞく
Teutones

ユトラント半島を原住地としたインド=ヨーロッパ語族の一派。おそらくゲルマン。人口増加のため前2世紀頃から南下し,キンブリ族などと同盟結び,北アルプス地方を越えてガリア南部に侵入し,ローマ軍と衝突した。前 103年には南下をやめて北ガリアに侵入。前 102年キンブリ族と分れ,再度イタリア侵入を試みたが,前 101年ローマの将軍 G.マリウスにアクアエ・セクスチア (現エクサンプロバンス付近) で敗れた。一部はガリア北部に定住。現在ヨーロッパのゲルマン系諸民族とその言語を彼らにちなんでチュートンと称することもある。

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世界大百科事典(旧版)内のテウトニ族の言及

【ゲルマン人】より

…言語系統としては,ケルト人やイタリキと親近関係にあるともされている。ゲルマンという呼称の由来は不詳であるが,この語が文献上最初にあらわれるのは,前80年ころ,ギリシアの歴史記述家ポセイドニオスが,前2世紀末におけるゲルマンの小部族,キンブリ族Cimbriとテウトニ族Teutoniのガリアへの侵寇を叙述した記録においてである。もっともそれ以前,前4世紀の末に,マッシリア(マルセイユ)にいたギリシア人航海者ピュテアスが,ノルウェーやユトランド半島に出向いた際の記録の一部が残っているが,そこではまだそこに住んでいた民族について,ゲルマンという呼称は使われていない。…

※「テウトニ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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