ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マリウス」の意味・わかりやすい解説
マリウス
Marius, Gaius
[没]前86.1.13. ローマ
共和政末期のローマの将軍。閉鎖的貴族支配階級のなかにプレプス (平民) 出身者として割込むことに成功し,新興騎士階級 (エクイテス ) の代表として閥族派 (オプチマテス ) と対決した新しい型の政治家。7度執政官 (コンスル ) をつとめた (前 107,前 104~100,前 86) 。スキピオ・アエミリアヌス (小スキピオ) に従いヌマンチア攻略に参加。前 107年ヌミディア王ユグルタを破った。このとき無産市民を徴募,訓練したが,この軍制改革は有力者による私兵養成を意味し,以後ポンペイウス (大ポンペイウス) ,ユリウス・カエサルらに引継がれた。前 104~101年ゲルマン人を制圧。前 90年以後同盟市戦争に参加。後輩の閥族派 L.スラと対立し,前 88年スラに追われてアフリカに逃れ,L.キンナと結んで翌年スラが東方におもむいている留守中,ローマに帰還。同盟市にローマ市民権を与え,スラ派に対して激しい粛清を行なった。前 86年7度目の執政官となったが,復讐におびえつつ病死した。
マリウス
Marius
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