テナッセリム管区(その他表記)Tenasserim

改訂新版 世界大百科事典 「テナッセリム管区」の意味・わかりやすい解説

テナッセリム[管区]
Tenasserim

ミャンマーにある7管区の一つ。国の最南端の管区で,東と南はタイ,北はモン州と接し,西はアンダマン海に面している。海上の約800の島嶼を含む。東西の幅は狭いが,南北は800kmと長い。1974年の新憲法により北半がモン州として分離されたので,現面積3万5000km2,人口136万(2000)。行政的には10郡に細分される。主都はダウェーDawe(タボイTavoy)。平均年雨量がダウェーで5400mm,イェーで5500mmという多雨地帯で,大半が熱帯雨林に覆われている。そのため,水田面積は900km2と全国水田総面積の2%弱,米の収穫高も12万tと国内総生産高の1%強を占めるにすぎない。特産は,スズ鉄マンガン重石(タングステン原鉱)などの鉱産物で,ともに年産700tを超える。ダウェーはダウェー川の左岸にあり,明の鄭和の航海図に〈打歪〉という名で現れる。〈答那思量〉と記されているテナッセリムは同名の川沿いの小都市として現存する。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 大野

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む