テペ・シアルク(読み)てぺしあるく(その他表記)Tepe Sialk

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テペ・シアルク」の意味・わかりやすい解説

テペ・シアルク
てぺしあるく
Tepe Sialk

イラン内陸部、カシャンの南西5キロメートルに位置する遺跡。南北二丘からなる。1937~1938年、フランスのギルシュマンR. Ghirshman(1895―1980)が発掘し、イラン先史文化の編年を確立した。すなわち、もっとも古い第一期の層では幾何文を描く粗質土器、第二期では赤色地、薄手の表面に動物文に近い幾何文土器、第三期は略式化した形の動物文土器をみいだした。第四期文化は西南イランのスーサでみいだされるプロト・エラク期にあたり、第五期文化はイラン語族がイラン高原に現れた初期鉄器時代にあたり、動物文の注口土器などを副葬する墳墓が認められている。

[増田精一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のテペ・シアルクの言及

【シアルク】より

…イラン高原の西端,カーシャーンの南西4km,標高約1000mの高所にある遺跡。テペ・シアルクともいう,東西交渉の要所にある。600m離れた南北2基の丘を主体とし,南丘の南にA墓地,西にB墓地を伴っている。…

※「テペ・シアルク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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