インドネシア,スマトラ島南東部の港市。ジャンビ州の州都。人口44万4551(2003)。旧名ジャンビDjambi,Jambi。マラッカ海峡に注ぐハリ川河口から約90kmさかのぼった位置にある河港。ハリ川はこの辺でなお川幅300mもあり,高水時には喫水3mの船も来航できる。空港もある。歴史的には初めパレンバン方面からの移住者が多かったが,後にはスマトラ西部の強力なミナンカバウ王国の支配を受けたようである。19世紀初頭にはここを基地にスルタン,マームード・マフディンが専制的独立国をつくり,次第に浸透してくるオランダ植民地勢力と抗争したが,1907年にいたって滅ぼされた。オランダはその後もしばらくジャンビを軍事占領下に置いた。周辺の油田開発に伴い,1920年ころから急速に発展し,また地方商業の中心地となった。市街はハリ川両岸に広がり,右岸には近代的建物や中国人居住区があるが,左岸は原住民居住区で,一部には船上あるいは杭上居住もみられる。テラナイプラ大学が設置されている。
執筆者:別技 篤彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
インドネシア、スマトラ島南東部の都市ジャンビの旧称。
[編集部]
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