テル地方(読み)テルちほう(その他表記)Tell

翻訳|Tell

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テル地方」の意味・わかりやすい解説

テル地方
テルちほう
Tell

アフリカ大陸北部,アルジェリアチュニジアの地中海沿岸地帯。現地語で「農耕に適した地域」をさし,「不毛の地」を意味するサハラに対照して用いられる。年降水量 600mmをこえる沿岸地域から,穀類の乾地農法の南限である半乾燥地域まで,海岸から 80~200kmの幅で東西に延び,全般的にテルアトラス (アトラステリエン) 山脈に続く丘陵地帯となっている。シェリフ川以外には長い川はないが,海岸に向けて多くの短い川が流れ,気候はしのぎやすい。前数世紀のフェニキア時代から開かれた歴史の古い地方で,ローマ,ビザンチン,アラブ時代の遺跡が多く,古代キリスト教揺籃の地でもあった。現在もアルジェリアの人口の大部分が集中し,主要都市と工業団地が立地するとともに,ダム,貯水池,用水路網により豊かな農業地帯となっており,麦類,オリーブ,ブドウイチジク,柑橘類,野菜などを産する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android