ディマンド・バス(その他表記)demand bus; dial-a-ride; call mobile

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディマンド・バス」の意味・わかりやすい解説

ディマンド・バス
demand bus; dial-a-ride; call mobile

運行時間を特定せず,ルートもおおまかに決めておき,旅客需要の発生の都度サービスを提供する形態の乗合バス・サービス。ダイアル・ア・ライド,コールモービルとも呼ばれる。本格的なディマンド運行は,旅客が路上のコーナーポストのボタンを押したり電話をかけたりすることによって,需要の発生状況が運転手に直接あるいは管制センターを通じて間接的に伝えられ,バスはそれに応じて進路を選択する仕組みになっているが,広義には単に電話予約だけを行うものも含まれる。需要が面的かつ不連続に発生する時間帯や地域,すなわち団地や都市近郊地域のオフピーク時に適しており,頻繁に需要の発生する地域や線的な輸送となるピーク時,また需要密度があまりにも小さくバス待機のアイドル・コストの大きな過疎地域には適さない。日本では東急バスが行なっている自由が丘地区でのディマンド運行が成功を収めているが,大阪の千里ニュータウン能勢町などの例は再検討を必要とされている。

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世界大百科事典(旧版)内のディマンド・バスの言及

【バス】より

…性能は,動力性能や運動性能など走る性能もさることながら,車内騒音,車外騒音,空気調和,居住性,乗降性などが重視される。 新しい機能をもつバスとしてはニーリングバス,ディマンドバス,デュアルモードバスなどがある。ニーリングバスは乗合バスの乗降容易化のために前ドア部のステップが15cm程度下がるようになっているバス,ディマンドバスは無線通信装置を備えて路線や運行スケジュールに自由度をもたせ乗客の呼出しに応じて所定地域の公共輸送にあたる乗合バス,デュアルモードバスは専用軌道内では無人運転,一般道路では人が運転して走るバスである。…

※「ディマンド・バス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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