デカブリストの妻(読み)でかぶりすとのつま(その他表記)Декабристки/Dekabristki

日本大百科全書(ニッポニカ) 「デカブリストの妻」の意味・わかりやすい解説

デカブリストの妻
でかぶりすとのつま
Декабристки/Dekabristki

叙事詩。19世紀ロシアの市民派最大の詩人ネクラーソフの1871~72年の作。1825年12月14日立憲君主制への改革を目ざして決起し失敗した貴族青年将校(デカブリスト)の妻トルベッツカヤ公爵夫人とボルコンスカヤ公爵夫人が、流刑に処せられた夫と受難の生活をともにしようとシベリア目ざし旅を続け、幾多の困難にもめげず、ついに目的を果たすという史実に立脚した作品で、二部からなる。第一部は流刑地への旅を志したトルベッツカヤが皇帝さしがねによる数々の障害を固い決意で克服する過程に、第二部はボルコンスカヤの道中を助ける民衆心遣い力点がある。なお作品名はのちに『ロシアの女たち』Русские женщины/Russkie zhenshchinïに改められた。

島田 陽]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android