日本大百科全書(ニッポニカ) 「デッソワー」の意味・わかりやすい解説
デッソワー
でっそわー
Max Dessoir
(1867―1947)
一般芸術学を提唱したドイツの美学者、心理学者。ベルリンに生まれ、同地で哲学、ウュルツブルクで医学を学び、1897年から1934年までベルリン大学で助教授、教授を務めた。1906年『美学と一般芸術学雑誌』を創刊するとともに、1909年「美学と一般芸術学協会」を設立した。従来の美学に批判主義的立場から方法的反省を加え、「芸術的なもの」das Künstlerischeは、「美的なもの」das Ästhetischeと完全には重なり合わない一つの領域であるとし、美を研究する美学と並んで、芸術を対象とする一般芸術学の必要性を主張した。主著に『美学と一般芸術学』Ästhetik und allgemeine Kunstwissenschaft(1906)、『二重人格』Das Doppel-Ich(1890)、『芸術としての話術』Die Rede als Kunst(1940)などがある。
[川上明孝 2018年9月19日]