デルマドローム(その他表記)dermadrome

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デルマドローム」の意味・わかりやすい解説

デルマドローム
dermadrome

ある全身疾患,または内臓病変とともに経過する皮膚の変化をいう。 dermaは皮膚を,dromは経過とともにを意味する。すでにギリシア時代,ヒポクラテスは,慢性の肺疾患患者の爪が変化すること (ヒポクラテスの爪) を記述しているが,クッシング症候群アジソン病ビタミン欠乏症などでは特徴的な皮膚の変化が現れる。また皮膚のかゆみは,糖尿病のほか,痛風,慢性肝障害,慢性腎不全,癌などでも起こることがある。この場合,皮膚のかゆみをきっかけとして,他の症状を参考にして,疾病を探ることになる。また,病気の治療効果を判定する手段としてもデルマドロームは重要である。たとえば麻疹 (ましん) ,猩紅 (しょうこう) 熱などの発疹を伴う感染症では発疹 (皮膚症状) の自然経過を理解していれば,疾患全体の経過も把握できる。いわば内科的な皮膚科学ともいえるもので,臨床検査法の発展とともにデルマドロームの研究はますます盛んになっている。

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