アジソン病(読み)あじそんびょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アジソン病」の意味・わかりやすい解説

アジソン病
あじそんびょう

慢性副腎(ふくじん)機能不全によっておこる疾患で、1849年イギリスの医師アジソンが発見、1855年に発表した。副腎皮質ホルモン欠乏するために疲れやすくなり、食欲低下体重減少もみられる。また、皮膚などの色が黒くなり、ことに口中の粘膜に黒いしみができる。女性ではわき毛や陰毛が減少し、男女とも性欲が低下する。原因は自己免疫によるものが多く、副腎の結核腫瘍(しゅよう)によることもある。血液中の副腎皮質ホルモンを測定し、その値が正常より低ければこの病気の可能性がある。外傷や感染症により、ショック状態に陥ることもあるので注意を要する。副腎皮質ホルモン剤の内服を続けることで、一生元気に生活できる。

[高野加寿恵]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アジソン病」の意味・わかりやすい解説

アジソン病
アジソンびょう
Addison's disease

副腎皮質の慢性機能低下を示す疾患。 1855年にイギリスの医師 T.アジソンが初めて記載した。比較的まれな疾患で,原因は副腎結核や特発性副腎萎縮などである。最近は前者によるものはまれである。後者によるものは自己免疫病と考えられる。体重減少,疲労,食欲不振,悪心,皮質粘膜の色素沈着,血圧および血糖値の低下などが認められる。いずれも副腎皮質から分泌されるミネラルコルチコイドや,グルココルチコイドの欠乏に基づく症状で,治療としては,これらのホルモンの適当量を補給する。

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