日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
トムソン(Virgil (Garnett) Thomson)
とむそん
Virgil (Garnett) Thomson
(1896―1989)
アメリカの作曲家。カンザス・シティ生まれ。ハーバード大学卒業後パリに留学(1925)、ナディア・ブーランジェに学び、サティ、6人組、女流作家ガートルード・スタインらと親交をもった。1940年帰国し、母国で作曲活動を続けると同時に、『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン』紙の音楽批評を担当した(1940~54)。作品は、音列作法によるものや印象主義的なもの、複調無調的なものなど、その書法は多種多様である。代表作にオペラ『三つの行為における4人の聖者』(1934初演)のほか、多くの管弦楽曲、合唱曲、歌曲、室内楽、『大平原を耕す鋤(すき)』(1936)などの記録映画のための音楽など。
[寺田由美子]