トラボア(その他表記)travois

翻訳|travois

改訂新版 世界大百科事典 「トラボア」の意味・わかりやすい解説

トラボア
travois

北アメリカ,大平原地方のインディアンの間で使用されていたそりに似た輸送手段。ふつう2本の棒の一端イヌ両側に結びつけ,他端は地面を引きずるようにし,棒の中ほどにつけた台か網に荷物を入れた。スペイン人の渡来とともにウマが導入されてからは,イヌに代わってウマが使用され,より多くの荷物が運ばれた。イヌに引かせるためには専用の短い棒のトラボアが作られたが,ウマに用いるのはティピ円錐形テント)の柱を使うのがふつうであった。ティピの柱を数本ずつ束ねてロープでしばり,ウマの両脇に固定した。ティピ用のテントをたたんで台にのせ,その上にさらに多量の荷物をのせることもあった。病人,老人,子どもを運ぶのにも使用された。また,特別のヤナギ製のかごを固定し,子イヌを運ぶこともあった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 小谷

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む