大学事典 「トリノ大学」の解説
トリノ大学[イタリア]
トリノだいがく
ピエモンテ地方のトリノにある国立総合大学。1404年にピエモンテ公ルドヴィコが,パヴィアやピアチェンツァから流入した教師の要請に基づき,教皇ベネディクトゥス13世から設立教書を得て成立。1412年には皇帝からも設立勅書を得た。しかし当初は弱体で,1420年代にはキエーリ,34年にはサヴィリャーノに移動し,36年に最終的にトリノに帰り,以後は比較的安定して町の重要性の高まりとともに繁栄した。18世紀末の対フランス戦争ではピエモンテ暫定政府が大学を再開して国立大学としたが,フランス支配下ではナポレオンの帝国大学体制に組み込まれた。トリノは19世紀のリソルジメントに大きな役割を果たしたサルデーニャ王国の首都であったため,統一前後から重要な位置に置かれ,多数の学生を集めた。近年は学生数の増大に伴って,アスティやクーネオなどピエモンテ地方の諸都市に組織を分散している。2015年現在,6スクオーラ,27学科12学部,正教授422人,准教授752人,研究員779人,登録学生数約6万7000人。
著者: 児玉善仁
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報