化学辞典 第2版 「ナイキスト図」の解説
ナイキスト図
ナイキストズ
Nyquist diagram
インピーダンスの複素平面表示の一つ.電気化学測定法の一つである交流インピーダンス法では,電極系に印加する交流電圧と応答電流の振幅の比(V0/i0),すなわちインピーダンスの絶対値 |Z| と,電圧と電流の位相差θを周波数ごとに計測し,電極反応や電解質に関する解析を行う.ナイキスト図では,横軸にインピーダンスの実数部を,縦軸に虚数部をとりインピーダンスを複素平面上に表記する.実数部Re[Z](抵抗)と虚数部Im[Z](リアクタンス)は,測定した |Z| とθから次式により計算できる.
Re[Z] = |Z| cos θ, Im[Z] = |Z| sin θ
インピーダンスの複素平面表示は,ナイキスト図やコール・コールプロットなどいくつかの呼び方がある.たとえば,ナイキスト図は,本来,電子制御デバイスの複素伝達関数の表示の際に用いられ,コール・コールプロットは,誘電定数の図的表示に用いられる.IUPACでは,混乱を避けるため,複素平面インピーダンス図(complex-plane impedance diagram)という呼び方を推奨している.ナイキスト図の一例を図に示す.[別用語参照]ボード線図
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報