ナチョラピテクス(その他表記)Nacholapithecus

改訂新版 世界大百科事典 「ナチョラピテクス」の意味・わかりやすい解説

ナチョラピテクス
Nacholapithecus

ケニア北部,サンブル県バラゴイ近郊のナチョラ村で発見された1500万年前の化石類人猿。1999年に石田英實らによって記載された。ナチョラピテクス・ケリオイN.kerioi1種のみを含む。属名はナチョラ村,種小名は村長だった故ケリオ氏にちなむ。当初,同時代のケニアピテクスKenyapithecusと同属ではないかとされていたが,全身骨格を含む多くの資料が発見され,その独特な特徴が明らかになった。中期中新世のアフリカ類人猿に共通して見られる,厚いエナメル質,頑丈な顎をもつ。一方で,非常に大きな手足,頑丈な前肢をもち,現生類人猿に見られる前肢優位な運動の萌芽であるとする意見もある。体の大きさも性差も現生のヒヒ程度である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android