ケニアピテクス(読み)けにあぴてくす(英語表記)Kenyapithecus

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケニアピテクス」の意味・わかりやすい解説

ケニアピテクス
けにあぴてくす
Kenyapithecus

ケニア出土の化石類人猿。1961年にビクトリア湖畔、フォート・ターナンで上顎骨(じょうがくこつ)破片と歯が発見され、翌年、発見者のL・リーキーによってケニアピテクス・ウィッケリと命名された。第三紀中新世末期ないし鮮新世初期のものとされ、約1400万年前との年代測定が出されている。また、同じくリーキーによってケニアピテクス・アフリカヌスも発見されているが、こちらはドリオピテクス近いといわれている。

[香原志勢]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケニアピテクス」の意味・わかりやすい解説

ケニアピテクス
Kenyapithecus

L.リーキーがケニアのビクトリア湖畔で発見した高等霊長類の化石骨。 1962年リーキーによりケニアピテクス・ウイケリ K. wickeriと命名された。アルゴン法による年代測定で 1400万年前のものとの報告がある。歯などが十数点発見されているが,リーキーはこれらの標本に歯隙がなく,犬歯も大きくなく,また前歯が小さく,臼歯ドリオピテクス型がみられるなど,ヒト的特徴が多くみられるところから,ヒト科の遠い祖先と考えた。しかし E.サイモンズや D.ピルビームらは,ケニアピテクスをラマピテクス類に含まれるものとし,特に別種とは認めていない。いずれにせよヒト科の祖先であると考える学者が多い。

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