ナットクラッカー現象

六訂版 家庭医学大全科 「ナットクラッカー現象」の解説

ナットクラッカー現象
(腎臓と尿路の病気)

 左の腎静脈が、腹部大動脈上腸間膜(じょうちょうかんまく)動脈という2つの血管でできたV字の部分を通過するために強くはさまれてしまい、腎静脈内の血液がうっ滞を起こして、腎臓内に出血するものです(図8)。その部分に、クッションとしての脂肪組織が少ない場合に起こりやすいといわれています。

 症状としては、肉眼的血尿がみられます。超音波CTMRIや三次元画像が得られるヘリカルCTなどの検査が有用です。ちなみにナットクラッカーとは「クルミ割り器」のことです。左の腎静脈が、ちょうどクルミのように2つの動脈に挟まれていることから、この名前がついています。解剖学的な特性から右側には生じません。


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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