百科事典マイペディア 「ヘリカルCT」の意味・わかりやすい解説 ヘリカルCT【ヘリカルシーティー】 新しい技術によるCTスキャンの一つ。X線管球を螺旋(らせん)状に連続回転させながら,被験者の寝台を一定速度で移動させることによって,短時間で3次元画像を得られる。 これによって,直径1cm以下の小さな肺癌(がん)でも見つかるようになり,早期発見に役立っている。また,循環器系では,X線造影剤を静脈注射して動脈・静脈の血流をみる検査などに応用されている。ただし,ヘリカルCTは1台4億円以上する高額な機械のため,設置している病院も少なく,1回当たりの料金は従来のCTよりも高い。 新しいタイプのCTには,このほかに電子ビーム方式がある。これは,X線管球を回転させる代わりに電磁石を使うもので,ふつうのCTでは不可能な心臓静止画像も撮影できる。 現在では,ヘリカル方式は頭頸部,肺,腹部の血管疾患,電子ビーム方式は心臓,胸部大血管疾患など,部位や疾患によってCTを使い分けている。→断層撮影→関連項目がんもどき(医学)|胸腔鏡下手術 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報