ナンサ伝(読み)ナンサでん(その他表記)sNang sa 'od 'bum rnam thar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナンサ伝」の意味・わかりやすい解説

ナンサ伝
ナンサでん
sNang sa 'od 'bum rnam thar

チベット仏教説話作者,成立年代未詳。ツァン地方を舞台にした蘇生譚'das logの一つ。作品は短い散文体の説明文を除き,韻文による対話形式で構成されている。口頭でも広く知られ,巡回物語師ラマ・マニや劇団アチェ・ハモ演目の一つ。老夫婦の美しい一人娘ナンサは,領主の息子の妻に迎えられるが,疑い深い小姑の偽言のために,夫や領主からも誤解され,虐待されて死ぬ。冥界生前の行為について審判を受けるが,信心深く罪を犯していなかったので,地上に生返ることを命じられる。蘇生したナンサは周囲の反対を押切って出家し,人々の仏教教化に尽すという筋。

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