ナームデーブ(英語表記)Nāmdev

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナームデーブ」の意味・わかりやすい解説

ナームデーブ
Nāmdev

15世紀頃のインドの詩人,宗教家。マハーラーシュトラの仕立屋の子として生れ,低いカーストに属した。マラータ地方ではビシュヌ神はビトーバー (ビッタル) という名で崇拝されていたが,彼は万有のなかにビッタル神が存在し,それは宇宙の根源であるから,この神に対して敬虔な信仰を捧げよ,と教えた。そして心の清浄謙虚克己寛恕,神を愛すること,などの徳をすすめた。彼の主張は下層階級の人々に受入れられ,彼自身は偶像崇拝を痛烈に批判したにもかかわらず,その信徒偶像を用いた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android