克己(読み)こっき(英語表記)kè jǐ

精選版 日本国語大辞典 「克己」の意味・読み・例文・類語

こっ‐き コク‥【克己】

〘名〙 おのれに克(か)つこと。自分欲望邪念にうちかつこと。
明六雑誌‐一六号(1874)人間公共の説〈杉亨二〉「恩あれば之に報し克己して人の人と相ひ親むは其性情なり」 〔論語顔淵

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デジタル大辞泉 「克己」の意味・読み・例文・類語

こっ‐き〔コク‐〕【克己】

[名](スル)自分の感情・欲望・邪念などにうちかつこと。「克己して学問に励む」「克己心」
[類語]克服超克

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改訂新版 世界大百科事典 「克己」の意味・わかりやすい解説

克己 (こっき)
kè jǐ

儒教の修養法。《論語》顔淵篇に〈子(し)曰(いわく),克己復礼を仁となす〉とあるのにもとづく。〈克己復礼〉は古い訓では,わが身をつつしんで礼をふみ行う,と訓(よ)むが,南宋朱熹(しゆき)は,〈己〉を私欲エゴイズム)とし〈礼〉を天理(本来的に人に備わる道徳性)が美的に分節されたものとし,私欲を克服して天理に復帰すること,と解釈する。このような禁欲主義は,清の学者荻生徂徠などから批判された。
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普及版 字通 「克己」の読み・字形・画数・意味

【克己】こくき

おのれにかつ。私欲を抑える。〔論語、顔淵〕己に克ち禮に復(かへ)るを仁と爲す。

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