におてる

精選版 日本国語大辞典 「におてる」の意味・読み・例文・類語

にお‐て・るにほ‥

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 語義未詳。月の光が琵琶湖やその周辺の風物に美しく輝く意か。中世以降の和歌によく用いられる。
    1. [初出の実例]「逢坂の山越えはてて眺むればにほてる月は千里なりけり」(出典:秋篠月清集(1204頃)上)
    2. 「さざ浪や志賀の浦風海吹けばにほてりまさる月の影哉〈後嵯峨院〉」(出典:新続古今和歌集(1439)秋上・四四八)

におてるの補助注記

「てる」は「照る」で、「にほ」は、「にほのうみ」で琵琶湖をさしていうか。すべての例歌が琵琶湖周辺の月の光のさまを主題もしくは重要な情景としているので、「にほの海」を美しく照らす月の光についての表現と推定できる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

《料理されるためにまないたにのせられた魚の意から》相手のなすに任せるより方法のない運命のたとえ。まないたの鯉こい。[類語]俎板まないたの鯉こい・薬缶やかんで茹ゆでた蛸たこのよう・手も足も出ない...

俎上の魚の用語解説を読む