ニザーミ・ジェディード(その他表記)Nizâm-ı Cedîd

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニザーミ・ジェディード」の意味・わかりやすい解説

ニザーミ・ジェディード
Nizâm-ı Cedîd

オスマン帝国スルタンセリム3世が 1792年から行なった軍事部門を中心とする一連改革をいう。 18世紀後半以降,衰退に向ったオスマン帝国が試みた多くの改革の一つで,ヨーロッパ式軍団の創設造兵廠設立,砲術学校の開校などの軍事改革のほかに,行政・財政制度の改善,在地のアーヤーンの権限削減などを取決めた。しかしこの改革は,イェニチェリ軍団やアーヤーンの強力な反対にあい,1807年セリム3世は退位を余儀なくされ,のち暗殺された。

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世界大百科事典(旧版)内のニザーミ・ジェディードの言及

【オスマン帝国】より

…これに対して歴代のスルタンは,軍事,行政,教育,法制などの分野における西欧化改革を進めることによって,ヨーロッパの要求にこたえつつ,自己の中央集権的専制支配を再確立する道を模索した。
[西欧化とその反響]
 セリム3世Selim III,(在位1789‐1807)が新設した西欧型新軍団〈ニザーミ・ジェディードNizam‐ı Cedid〉に象徴されるように,帝国の改革はまず軍事組織から始まった。マフムト2世(在位1808‐39)は,イエニチェリ軍団を全廃し,同時にこれと結びついたベクターシュ教団を閉鎖し(1826),中央官制を改革して大宰相(サドラザム)に集中していた権力を分散させて,スルタンの権限を強化した。…

※「ニザーミ・ジェディード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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