ニューエコノミー論(読み)ニューエコノミーろん(その他表記)new economy theory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニューエコノミー論」の意味・わかりやすい解説

ニューエコノミー論
ニューエコノミーろん
new economy theory

経済構造の変化により景気循環から抜け出し,インフレを伴わない好景気が続くという経済理論。低インフレ下の好況が続く現在のアメリカ経済を背景として出てきた説で,その代表とされているのがカリフォルニア大学バークリー校の S.ウェーバー教授が『フォーリン・アフェアーズ』誌 (1997年7~8月号) に掲載した論文「景気循環の終焉?」である。それによると,情報通信技術の進歩,生産のグローバル化,金融システムの変化,雇用形態の変化,発展途上国市場の拡大,政府の政策などが景気変動をもたらす要因を弱めているとしている。特に,従来インフレ要因とみなされていた低失業率や高い設備稼働率が今回インフレを引起さないのは,コンピュータによる生産管理技術の発展で需給ギャップが小さく押えられるようになり,経済構造が柔構造になったことで政府の失策も吸収されるようになった。さらに,通信情報革命により経済全体の労働生産性が高まり,企業のリストラによってフルタイム労働からパートタイム労働へのシフトが進み賃金上昇が抑えられていることなどが,好況持続の要因としてあげられている。

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