ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説 ニュージーランドオウギハクジラMesoplodon hectori; Hector's beaked whale クジラ目ハクジラ亜目アカボウクジラ科オウギハクジラ属。最大体長記録は雄約 4.3m,雌約 4.4m。出生体長は推定2~2.5m。体色は全身濃い灰褐色で腹部は淡い灰色を呈し,体表に掻傷がみられる。体型は紡錘形である。頭部は小さく,前頭部はわずかにふくらむ。上顎は細く,下顎の方がやや前方に出ており,咽喉部にハの字状の溝がある。噴気孔は1個で大きく,頭部正中線上よりやや左に位置する。背鰭 (せびれ) は体の後方3分の2に位置し,コブハクジラより小さく,三角形状で先端はとがりその後縁は湾曲している。胸鰭は小さく,幅は狭く先端はとがる。下顎の先端に1対の歯がある。性的成熟に達した雄は歯の先端が突出するが,雌の場合は埋没している。2頭連れで出現することが最も多い。イカ類を捕食すると考えられている。南半球の亜南極収束線以南に分布すると推測されるが,分布限界の詳細は不明。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by