日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニョロ」の意味・わかりやすい解説
ニョロ
にょろ
Nyoro
アフリカ、ウガンダ西部のバントゥー系諸族の一つ。バニョロ人Banyoroともいい、その居住地をブニョロという。人口49万5000(1991)。生業はヒエ、トウモロコシ、キャッサバ、サツマイモなどの農耕を主とする。牛、ヤギ、ヒツジを多く飼っている。
伝統的にムカマとよばれる王によって治められていたが、1967年、ウガンダ共和国の中央集権化とともに王制は廃止された。そのときの王は、18代続いたと思われるビト王朝に属していた。伝承によれば、それ以前にチュエジ王朝、さらにその前にテンブジ王朝があった。ニョロの王国は、かつてキタラとよばれた広大な「帝国」の中心だったという伝承もある。
外婚的な父系の氏族が存在するが、氏族は散在していて、実際の村の生活では、行政区域と近隣関係が重要である。カトリックおよびプロテスタントの教会が現在の宗教と教育に大きな影響を与えている。
[中林伸浩]