日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヌマミズキ科」の意味・わかりやすい解説
ヌマミズキ科
ぬまみずきか
[学] Nyssaceae
双子葉植物、離弁花類。落葉性の高木。葉は互生し、単葉で鋸歯(きょし)はない。花は花序軸の短い集散花序か頭状花序につき、雄花と両性花がある。雄花は花被片(かひへん)5枚、雄しべは8~15本。両性花は筒状の花托(かたく)と5枚の花被片が合着し、子房は下位、雄しべ5本と雌しべ1本があり、子房内には胚珠(はいしゅ)が1個垂れ下がる。果実は核果。2属5、6種からなる小さな科で、東アジアと北アメリカの温帯に分布する。ハンカチノキ科に近く、両科を合一して扱うこともある。ニッサ属Nyssaは新生代第三紀の初期に花粉の化石が知られる古い植物群で、現生の木はその生き残りと考えられる。日本には野生しない。中国原産のカンレンボク(キジュ〈喜樹〉)Camptotheca acuminata Dcne.が、ごくまれに栽培される。
[山崎 敬 2021年3月22日]
APG分類でもヌマミズキ科とされる。ハンカチノキ科はヌマミズキ科に含まれる。この分類によると、北半球の温帯から熱帯に5属22種が分布する。日本ではハンカチノキが庭木として植えられている。
[編集部 2021年3月22日]