日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンカチノキ」の意味・わかりやすい解説
ハンカチノキ
はんかちのき
handkerchief-tree
[学] Davidia involucrata Baill.
ハンカチノキ科(APG分類:ヌマミズキ科)の落葉高木。高さ約20メートルに達する。葉は互生し、広卵形で長さ9~15センチメートル。初夏、短枝の先に白色の大きな包葉に包まれた頭状花序を1個つける。花序は多数の雄花と1個の両性花からなり、花には花被(かひ)がない。雄花は1~7本の雄しべのみからなり、両性花には約10本の雄しべと1本の雌しべがあり、子房は下位。果実は核果。中国大陸西部の温帯林中に生え、観賞用に栽培される。名は、垂れ下がる白色の大きな包葉がハンカチを思わせることによる。
ハンカチノキ科Davidiaceaeは1種のみからなる。ヌマミズキ科Nyssaceaeに近いが、大きな包葉があり、子房は6~10室なので区別される。
[川崎 敬 2021年3月22日]
APG分類ではハンカチノキ科はヌマミズキ科に統合されている。
[編集部 2021年3月22日]