ヌムリテス(その他表記)Nummulites

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌムリテス」の意味・わかりやすい解説

ヌムリテス
Nummulites

原生生物界有孔虫門ヌムリテス科の代表属。大型有孔虫の代表的なものの一つ。属名カメリナ Camerina が先取りしているが,1世紀以上にわたって使用されてきた上記属名の有効性が 1945年国際動物命名規約委員会において認められた。貨幣石の名で呼ばれるように双凸レンズ状で,大きなものは数cmに達する。平面旋回で周縁には複雑な脈管系が通っている周縁索 marginal cordがある。包旋回で,内部は放射状隔壁で多数の室に分かれている。古第三紀暁新世より漸新世まで生存。暁新世種はすべて数mmの小型で,セプタル・フィラメント(隔壁の翼状延長が殻壁と交わってつくる縫合線)は単純な放射状であるが,殻の中央部では網目状になる傾向がある。漸新世には,セプタル・フィラメントに,それに直角な枝状のものが出て互いに結びついて網目状をつくるので,網目状ヌムリテスといわれる仲間が現れる。(→有孔虫類

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android