翻訳|Paleocene
地質時代の時代区分の一つで、新生代の古第三紀を三つに分けたときの最初の時期。およそ6600万年前から5600万年前までの時代をいう。暁新世に形成された地層を暁新統という。この時代の堆積(たいせき)物は、白亜紀のそれと同様の岩石から構成されるが、白亜紀に卓越したチョークは暁新世にはなくなり、かわって海緑石を伴う緑色の砂岩が広範囲に堆積した。ただしその分布は限られた地域にのみ知られる。気候は現在程度か多少温暖であった。植物界では、中生代白亜紀後期に出現した被子植物は暁新世に入って急速に発展し、それらはすでに現代型のものである。しかし、まだ原始的なところもあり小形であった。動物界では、中生代末の大変革で恐竜などが絶滅したが、暁新世に入ると、かわって哺乳(ほにゅう)類が増加した。しかし、まだ原始的で小形であった。海洋生物では、二枚貝、巻き貝、棘皮(きょくひ)動物類や有孔虫類の分布の拡大が特徴的である。とくにヌムリテスNummulitesとかディスコシクリネスDiscocyclinesという石灰岩をつくる大形の有孔虫類が熱帯の浅海域に豊富であった。このように植物界と動物界では進化のテンポが異なる。
[山口寿之 2015年8月19日]
Paleocene(Epoch)
新生代古第三紀を3分した最初の世。年代値は66.0~56.0Ma。Palaeo-Eoceneの意で,P.W.Schimper(1874)がフランスの始新統の植物化石の研究から,その下部を始新統から区別したことによる。国際年代層序では古い方からDanian・Selandian・Thanetianの3期に区分。アルプス造山のララミー造山運動に続く時代で,地層は下位の白亜系に斜交している。ヨーロッパでも米国でも火山活動があった。ニュージーランド,日本には白亜系~暁新統に一連の海成層があり,浮遊性有孔虫を産する。Nummulitesや浮遊性有孔虫が対比に使われる。哺乳類はまだ小型であった。植物化石では,当時のヨーロッパは次の始新世の熱帯的に比し,むしろ寒冷な時代。かつてはSuessonienあるいは Eonummulitiqueとも。
執筆者:石田 志朗・林 広樹
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…この時代は大型有孔虫のヌンムライト(貨幣石)の化石が多いため,フランスなどでは貨幣石紀とよぶ。古第三紀は古いほうから,暁新世,始新世,漸新世に三分され,暁新世と始新世の境界は5500万年前,始新世と漸新世の境界は3800万年前とされる。古第三紀は原始哺乳類の時代で,現在みられる哺乳類の多くのグループの祖先型が出現した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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