大形有孔虫(高等有孔虫)の一グループ。ヌムリテスともいう。殻(から)の外形、大きさが貨幣(コイン、ラテン語の鋳貨numismaに由来する)に似ることからこの名がある。外形は円盤状ないし凸レンズ状である。内部は多くの室に分かれ、それらが平面上で、先に形成された渦巻状の室の列を、次にできる渦巻状の室の列が包むように配列している。室間の隔壁の縫合線はさまざまな模様をつくり、隔壁フィラメントとよばれる。また、殻には、脈管系とよばれる管状の構造が発達する。殻が小さくて、最初に形成される室(初室)が大きい顕球型と、殻が大きくて初室がきわめて小さい微球型の同一種内の二形性が認められる。前者は1センチメートル以下のものが多いが、後者は10センチメートルに達するものもある。世界各地の新生代古第三紀の地層より産出し、地層を対比するうえでの重要性は古くから指摘されている。日本では、小笠原(おがさわら)諸島の母島や九州の天草島から産するものが有名である。
[谷村好洋]
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…大型の有孔虫の一つの属で,第三紀暁新世に出現し,漸新世に絶滅した。外形にもとづいて名づけられた学名(ラテン語nummusは貨幣)の意味するとおり貨幣石とも呼ばれる。ヌンムライトの殻の外形は凸レンズないし円盤形を呈し,初室に続いて多数の室がらせん状に密に巻きながら,平面的に配列する。…
※「貨幣石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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