ネマタントゥス(読み)ねまたんとぅす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネマタントゥス」の意味・わかりやすい解説

ネマタントゥス
ねまたんとぅす
[学] Nematanthus

イワタバコ科(APG分類:イワタバコ科)の多年草。ブラジルに約20種分布する。茎は直立するか四方に広がって伸び、古くなると木質化する。葉は小さく多肉質で光沢があり、対生する。花は筒状で、葉腋(ようえき)に単生または少数をつける。花形によって大きく2系統に分けられ、花筒部の下部が膨らみ、先が極端に狭くなり、フグに似た形となる種類と、筒部が長くなり、のどの部分が膨らむ種類がある。前者はヒポキルタ属Hypocyrtaとして分けられていたこともある。一般にはフグ形の花をつけるものが栽培されるが、よく栽培されるものに、以下のものがある。グレガリウスN. gregarius D.L.Denh.は花は橙(だいだい)色のフグ形の花をつけ、これの園芸品種であるゴールデン・ウエストは葉に淡黄色の斑(ふ)が入る。またフリッチーN. fritschii Hoehneは葉裏に赤紫色の模様が入り、紫がかった桃色の花を垂下してつける。ペリアントメグスN. perianthomegus H.E.Mooreは茎が太く、花は黄色地に暗赤色の条が縦に入る。夏は半日陰で、冬は日当りで管理する。

[植村猶行 2021年7月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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