ノク文化(読み)ノクぶんか(その他表記)Nok culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノク文化」の意味・わかりやすい解説

ノク文化
ノクぶんか
Nok culture

西アフリカナイジェリアの中央部,ニジェール川とその支流ベヌエ川にはさまれた地域の先史文化。前 1000年の後半から,2世紀頃まで栄えたと思われる新石器末期の文化で,前 500年頃以降,鉄器が使用されはじめた。ノク出土のサル頭部をはじめとするテラコッタ製像の様式はイフェ,ベナンなどの後世のアフリカ芸術に影響を残した。

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世界大百科事典(旧版)内のノク文化の言及

【アフリカ】より

…4世紀中ごろに王国が滅んでのち,クシュ人は西方のチャド湖畔にサオ王国を樹立し,青銅やテラコッタの人物像や工芸品を作った。中部アフリカのナイジェリアでは,前500‐後200年にノク文化が栄え,抽象的造形に特色のあるテラコッタ製の人物像が生み出された。後世同地域に栄えたイフェ王国ベニン王国では,造形的・技術的にすぐれた青銅およびシンチュウの彫刻(人物・人頭,動物など)が製作されている。…

【ノク】より

…その後ニジェール川とベヌエBenue川の合流点の北方に位置する,東西480km,南北330kmにおよぶ広大な地域で,ノクの人頭像と同じ様式のテラコッタ製人像が数百点出土した。これらのテラコッタ像は,最初の発見地にちなんで,ノク美術ないしノク文化(文明)と称される。前500年ころから後200年ころにかけてのものである。…

【部族美術】より

…本項ではアフリカ,オセアニア,北アメリカの部族美術について述べる。
[アフリカ]
 中部アフリカのナイジェリアでは前500‐後200年にノク文化が興り,単純かつ明快なテラコッタ製の人物像がつくられた。10~15世紀にはヨルバ族の宗教都市イフェで青銅,石,テラコッタ製の人物像や人頭が制作された。…

※「ノク文化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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