日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノボジーロフ」の意味・わかりやすい解説
ノボジーロフ
のぼじーろふ
Виктор Валентинович Новожилов/Viktor Valentinovich Novozhilov
(1892―1970)
ソ連の数理経済学者。ハリコフ(現、ウクライナのハルキウ)に生まれる。1915年キエフ(キーウ)大学法学部を卒業。1919年キエフ(キーウ)人民大学、1920~1922年ドン国民経済大学の講師、1922年からレニングラード工科大学、1952年からレニングラード技術経済大学教授を歴任。労働支出とその成果の測定に関する多くの業績がある。彼の「格差支出」概念は、カントロビチの解決乗数、近代経済学のシャドー・プライス概念に一致するもので、分権的最適決定システムに不可欠な概念である。晩年は中央数理経済研究所レニングラード支部の指導的立場にあった。1965年にネムチノフ、カントロビチとともにレーニン賞を受賞。主著には『最適計画における支出と成果測定の諸問題』(1967)がある。
[望月喜市]