ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネムチノフ」の意味・わかりやすい解説
ネムチノフ
Nemchinov, Vasilii Sergeevich
[没]1964.11.5. モスクワ
ソ連の経済学者,統計学者。 1917年モスクワ商業専門学校を卒業し,政府関係統計機関に勤務,28~48年ティミリャゼフ記念農業アカデミーの統計講座主任教授 (1940~48同アカデミー学長) ,47年以降ソ連共産党付属社会科学アカデミーの経済学教授。この間 40年に共産党に入党,46年ソ連科学アカデミー会員,53年同幹部会員,同アカデミー経済学・哲学・法学部長などの要職を歴任。主著『農業統計とその一般理論的基礎』 Sel'skokhozyaistvennaya statistika s osnovami obshchei teorii (45) で統計学にマルクス主義的基礎を与えるとともに西欧統計学の手法も取入れようと試み,46年国家賞受賞。 1940年代末の統計学論争ではブルジョア統計学に追随するものとして批判されたが,スターリン批判後の 50年代末から活動を再開し,リーベルマン論文に始る経済改革論争では急進的改革を主張して指導的役割を果す。死後の 65年レーニン賞受賞。主要な著作は『著作集』 Izbrannye proizvedeniya (6巻,67~69) に収録されている。
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