日本大百科全書(ニッポニカ) 「はすっぱ」の意味・わかりやすい解説
はすっぱ
はすっぱ / 蓮葉
女性の態度や動作が下品で慎みのないこと、また浮気で色めいてみだらな女性をいう。「はすっぱ女」ともいう。転じて、思慮の浅い軽はずみなこと、言動の慎みがなく、浮薄なことをいうようにもなる。江戸時代、大坂の問屋が諸国から集まる得意客を接待するために、接客婦を臨時に雇うことがあり、こうした季節や情況に応じて、その場限りで雇用、奉公することが、盆の供物盛りに使う蓮の葉などを売る際物(きわもの)商売である蓮葉(はすっぱ)商いに似ていることから、臨時雇用の接客婦を蓮葉女というようになったとされる。したがって、雇われた女性は身持ちも定まらず、品性も卑しく、言動にも慎みがないため、のちには、一般的にこうした浮薄な女性を意味することばとなった。
[棚橋正博]