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はだしのゲン はだしのげん

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知恵蔵2015の解説

はだしのゲン

中沢啓治(1939~2012年)が、自身の原爆の被爆体験をもとに描いたマンガ。1973年6月に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で第25号から連載を開始、翌年の第39号まで掲載された。
主人公は広島市に住む中岡元(げん)。絵付け職人の父と母、姉、弟と暮らしていたが、45年8月6日の原爆投下で父と姉、弟を亡くす。国民学校2年生だった元は、母と戦後の混乱期をたくましく生き抜いていく。原爆投下直後の広島市内の状況や元一家の暮らし、被爆者の画家の看護をする様子などを通して、原爆の悲惨さを訴えている。また、一方で、父が反戦思想家で周囲から「非国民」と扱われ、嫌がらせを受ける様子なども描いている、反核・反戦マンガ。
週刊少年ジャンプ連載終了後の75年に汐文社から単行本として全4巻が発行、77年には集英社からも単行本が発行された。75年9月には「戦後編」が、月刊誌「市民」(文化社)で連載される。その後も、「苦闘編」、「激動編」(ともに翠楊社)が刊行。「文化評論」(新日本出版社)や「教育評論」(日本教職員組合機関誌)などで続編が連載され、多くの出版社から単行本化された。80年には絵本版が刊行。
78年からは英語版が発行され始め、その後ロシア語フランス語などに翻訳され、13年現在、20カ国語で出版されている。発行部数は、国内外で1000万部以上に上り、アメリカでは、教材として使用している学校もある。
76年には実写版で映画化され、元(ゲン)役を佐藤健太が、父親役を三國連太郎が演じているほか、78年、79 年にも実写映画化。83年には劇場アニメーション化され、作品は毎日映画コンクール大藤信郎賞や優秀映画鑑賞会推薦、日本PTA全国協議会特薦、文部省推薦を受けている。2004年、アングレーム国際マンガ祭環境保護に関する最優秀コミック賞を受賞。
13年には、島根県松江市内の小中学校図書館での閲覧制限を巡って、社会的に話題になった。発端は12年夏に「子どもたちに間違った歴史認識を植え付ける」として、小中学校から作品を撤去するよう松江市に陳情が寄せられたことによる。それに対して松江市の市議会は議論の末、小中学校図書館での撤去の判断を松江市教育委員会にゆだねた。市教委は旧日本軍の残虐行為などの描写に過激な部分があるという理由で、読むのに教師の許可が必要な閉架措置とするよう学校側に要請することにした。それが「知る自由」や「表現の自由」を侵すものだと社会問題に発展。松江市教区委員会は13年8月に、市教委の事務局の手続きに不備があったということで閲覧制限を撤回した。
この騒動を機に『はだしのゲン』の単行本を発行している出版社に注文が相次ぎ、増刷。例年の終戦時期の2~3倍の売れ行きがあるなど、社会的な関心が高まった。

(金廻すみ子  ライター / 2013年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

はだしのゲン

広島で被爆した中沢啓治さんが1973年、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載を始めた自伝的な作品。掲載誌を変え、85年に完結した。実写やアニメの映画、テレビドラマにもなった。 「過激な描写がある」として小中学校の図書室での閲覧を一時的に制限したり、回収したりする動きが出て論議を呼んだ。

(2016-02-17 朝日新聞 夕刊 1社会)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉プラスの解説

はだしのゲン

中沢啓治による漫画作品。広島市に住む少年中岡元が原爆で父、姉、弟を亡くしながらも、たくましく生きる姿を描く。『週刊少年ジャンプ』1973年第25号~1974年第39号、『市民』1975年9月号~1976年8月号、『文化評論』1977年7月~1980年、『教育評論』1982年4月~1985年に連載。汐文社全10巻。2004年アングレーム国際マンガ祭環境保護に関する最優秀コミック賞受賞。1976年、1977年、1980年に実写映画が、1983年と1986年に劇場用アニメが公開され、2007年フジテレビでドラマが放映された。

出典|小学館
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知恵蔵miniの解説

はだしのゲン

中沢啓治(1939~2012年)によるマンガ作品。原子爆弾による作者の広島での被爆体験をもとに、太平洋戦争末期から戦後の激動の時代をたくましく生きぬく主人公ゲンの姿を通して、反戦・反核を訴えている。1973年に「月刊少年ジャンプ」(集英社)で連載が開始され、75年以降は掲載誌を転々としながら連載を続行、85年に日教組の機関紙「教育評論」で第一部の完結をもって連載を終了した。作者の健康状態の悪化のため、第二部は書かれることなく断念された。同作品を原作とした実写映画やアニメ映画、テレビドラマも製作され、単行本は世界20カ国で翻訳されている。

(2013-8-20)

出典|(株)朝日新聞出版発行
(C)Asahi Shimbun Pubications Inc
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