広島市(読み)ヒロシマシ

デジタル大辞泉 「広島市」の意味・読み・例文・類語

ひろしま‐し【広島市】

広島

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「広島市」の解説

広島市
ひろしまし

面積:六七五・六二平方キロ
なか区・みなみ区・ひがし区・西にし区・安芸あき区・安佐南あさみなみ区・安佐北あさきた

広島県の西南部、太田おおた川下流域に形成されたデルタ地帯を中心に、その北部山岳地帯を市域とする。東南は安芸郡、東は東広島市、北東は高田郡、北は山県郡、西は佐伯郡に囲まれ、南は広島湾に臨み、市域の金輪かなわ島・似島にのしまが浮ぶ。太田川とその支流域周辺を除く市域の大部分は山地で、東南の小田おだ(七一九・一メートル)をはじめ、東は高鉢たかはち山・安駄あんだ山・白木しらき山など、北も備前坊びぜんぼう山・かんむり山・堂床どうとこ山、西は東郷とうごう山・まどヶ山など標高七〇〇―九〇〇メートルの山に囲まれ、その間を北西より太田川、北より南原なばら川・根谷ねのたに川、北東より三篠みささ川が流れ、市域中央やや北の安佐北区可部かべ町付近で合し、西南流する。市域の中心は太田川が河口近くで猿猴えんこう川・京橋きようばし川・元安もとやす川・ほん(太田川)天満てんま川・太田川放水路に分流してできた三角州上にあり、多くは近世以降の干拓によって築調された地である。

市域は近世の広島城下を中心に、高宮たかみや郡・沼田ぬまた郡の全域、安芸郡・佐伯郡・高田郡・賀茂郡の一部より構成され、昭和五五年(一九八〇)には政令指定都市となり中・南・東・西・安芸・安佐南安佐北の七区に分区した。広島の地名は新しく、毛利輝元が天正一七年(一五八九)本拠を高田郡吉田よしだ町にあった郡山こおりやま城から太田川河口に移すことにし、はく島の南にある最も大きい島を城池に選定して以後の命名で、山県氏覚書などでは、毛利氏の祖大江広元の「広」と、城池選定にあずかった福島元長の「島」の二字を併せたというが、もともとデルタ地帯の島々を広く併せたことに由来するともいわれる。

〔原始・古代〕

瀬戸内海に面する広島湾沿岸部の地には、早くから人々が住み着いたらしく、縄文時代早期の遺跡として東区牛田の早稲田うしたのわせだ遺跡があり、後期・晩期のものとしてはかつて島であった南区比治ひじ山の貝塚などが知られる。また東区中山なかやまの貝塚も縄文晩期より弥生前期・中期の遺物が出土しており、瀬戸内海地方の土器編年の標式とされている。弥生時代の遺跡は多く、広島湾岸の東区の早稲田神社東斜面遺跡・牛田浅野山うしたあさのやま遺跡・西山にしやま貝塚ばかりではなく、太田川やその支流をさかのぼる上深川かみふかわ遺跡、真亀まがめ遺跡群、寺迫てらさこ遺跡、恵下山えげやま山手やまて遺跡群、西願寺山さいがんじやま墳墓群(以上安佐北区)細田ほそだ遺跡・細迫ほそさこ遺跡(安佐南区)などが知られる。とくに東区福田ふくだ木の宗きのむね山からは銅剣・銅戈・銅鐸が発見されている。

古墳時代の遺跡はおもに現在の安佐北区・安佐南区に多く分布。


広島市
ひろしまし

1985年3月20日:広島市が佐伯郡五日市町を編入し、佐伯区を設置
【広島市】広島県:広島市
【佐伯郡】広島県:佐伯郡


広島市
ひろしまし

2005年4月25日:広島市が佐伯郡湯来町を編入
【広島市】[変更地名]広島県
【佐伯郡】広島県:佐伯郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「広島市」の意味・わかりやすい解説

広島〔市〕
ひろしま

広島県南西部,瀬戸内海広島湾に臨む市。県庁所在地。1889年市制。1929年三篠町,仁保村など 7町村,1955年戸坂村,1956年中山村,井口村,1971年沼田町,安佐町,1972年可部町,祇園町,1973年安古市町,佐東町,高陽町,瀬野川町,白木町,1974年熊野跡村,安芸町,1975年船越町,矢野町をそれぞれ編入。1980年政令指定都市となり,中区東区南区西区安佐南区安佐北区安芸区の 7区を設置。1985年五日市町を編入,佐伯区が設置されて 8区となり,2005年湯来町を佐伯区に編入した。中国地方の政治,経済,文化の中心。中心市街地は太田川下流の三角州上にあり,天正17(1589)年毛利氏が築城。江戸時代には福島氏,浅野氏城下町として繁栄。明治4(1871)年県庁が置かれ,1889年宇品港(広島港)の築港,第5師団司令部の設置で,軍事基地的性格を加えた。第2次世界大戦末期の 1945年世界最初の原子爆弾が投下され,市街は壊滅,二十数万人の犠牲者を出した(→原子爆弾投下)。戦後,国際平和記念都市建設法が制定され,斬新な都市計画を実施して戦前をしのぐ大都市に復興。太田川放水路の西に続く地先の大規模な埋め立てが進み,自動車,造船,一般機械器具,食料品,家具などを中心とする工業が発達した。周辺の農村部では近郊農業を行なうが,近年は住宅地化が著しい。広島湾ではカキ・ノリ養殖が盛ん。中心市街地には平和記念公園を中心に原爆関係の記念物が多く,原爆ドーム(国指定史跡,世界遺産),比治山公園,元宇品公園,縮景園(国指定名勝),頼山陽居室(国指定史跡),広島城跡(国指定史跡),不動院(金堂は国宝)などがある。山陽新幹線をはじめ JR山陽本線,芸備線,可部線,呉線などの鉄道が通じ,中国縦貫自動車道,山陽自動車道,広島自動車道,国道2号線,31号線,54号線などの幹線道路が通る交通の要地。面積 906.69km2。人口 120万754(2020)。

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