バイオント・ダム(読み)ばいおんとだむ(その他表記)Vaiont Dam

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バイオント・ダム」の意味・わかりやすい解説

バイオント・ダム
ばいおんとだむ
Vaiont Dam

イタリア北東部、ピアベ川支流バイオント峡谷にある世界最高のアーチダムダムの高さ262メートル、堤頂の長さ190メートル、総貯水量1.5億立方メートルである。ダム完成2年後の1963年、直上流で巨大な地すべりが発生し、ダムを溢流(いつりゅう)した水流下流の村を襲い、死者2000人を超える大被害となった。ダム本体の被害は軽微であったが、土砂堆積(たいせき)により発電不能となった。

[石﨑正和

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のバイオント・ダムの言及

【ダム】より

…この事故により基礎岩盤の研究をする岩盤力学という新しい分野の学問が起こった。また63年バイオント・ダム(イタリア。アーチ)の貯水池に大きな山が地すべりを起こして落ち込み,貯水のほとんどがダムを越えてあふれ出して2125人の死者を出し,貯水池周辺の地すべりに対する入念な配慮の必要性を学んだ。…

※「バイオント・ダム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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