バグラト朝(読み)バグラトちょう(その他表記)Bagrat

改訂新版 世界大百科事典 「バグラト朝」の意味・わかりやすい解説

バグラト朝 (バグラトちょう)
Bagrat

(1)アルメニア王朝。886-1045年。アラブ支配下に台頭し,カリフよりアルメニア王位を得,事実上独立した。10世紀後半~11世紀初頭に最盛期を迎えたが,ビザンティン帝国に首都アニAniを奪われて滅びた。

(2)グルジアの王朝。888-1801年。バグラチオン朝ともいう。9世紀,グルジア・バグラト家アショットが西南グルジアに公国を開いたのに始まる。次いで10世紀,バグラト3世のとき,東部を除いた全グルジアを統一した。彼らの子孫は19世紀のロシアによる併合までグルジアの王位にあった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のバグラト朝の言及

【グルジア】より

…また,東グルジアは7世紀後半アラブによって征服され,トビリシのアミールの支配を受けた。(2)バグラト朝の繁栄 政治的独立を目ざす新しい気運を担ったのは南西グルジアで,バグラト家のバグラト3世(在位975‐1014)は,国土の大部分を統一し,新王朝を開いた。バグラト朝は大諸侯の離反,ビザンティン,セルジューク朝トルコの侵入と戦いながら王権を保持した。…

※「バグラト朝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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