岩石学辞典 「バサン岩」の解説 バサン岩 細粒の亜優黒質な玄武岩質の岩石で,一般に斑状.主に橄欖(かんらん)石,准長石類(一般にネフェリン)からなり,オージャイト,斜長石を含んでいる.アナルサイトまたはリューサイトを含んだり,含まなかったりする.橄欖石を含まないものをテフル岩といい,粗粒のものを橄欖石セラル岩という.古代に金の純度を調べる試金石に用いた石をLapis Basanitisといい.後にこの名称が玄武岩(basalt)と混同されるようになった.ブロニアールは輝石の斑晶をもつ斑状の玄武岩をbasaniteと呼んだ[Brongniart : 1813].この語は最初は黒色で玄武岩状の形状の斜長石准長石熔岩に使用された[Fritsch & Reiss : 1868].ローゼンブッシュは主成分に橄欖石を持ち,准長石を含む噴出岩を総合したグループ名として定義し,ネフェリン─バサン岩(nepheline-basanaite)とリューサイト─バサン岩(leucite-basanite)とを主な型として区別した[Rosenbusch : 1887].テフル岩(tephrite)は橄欖石を含まないので,ヨハンセンは薄片の中に一粒でも橄欖石粒があればバサン岩とするとした[Johannsen : 1938].ギリシャ語のbasanosは金銀の純度を調べる黒い珪石または標準の意味. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報