バシャン(英語表記)Bashan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バシャン」の意味・わかりやすい解説

バシャン
Bashan

旧約新約聖書に引用されている歴史的地方名。大部分は現在のシリア南部の地域にあたる。北はヘルモン山,西はガリラヤ湖,南はヤルムク川,東はハウラン高原に囲まれた高原地帯で標高 533~770m前後。肥沃で水も豊かなため農耕牧畜に適し,旧約聖書には豊かな牧場の象徴として登場する。旧約聖書によれば,バシャンはイスラエル人に占領されてマナセの半部族に与えられ,ソロモンの行政区の一つとなった。のちにアッシリアペルシアセレウコス朝の支配を受け,ローマ時代にはローマの穀倉の一つであった。皇帝アウグスツスはこれをヘロデ大王に与え,新約時代にはバタネアと呼ばれた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android