ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バリノマイシン」の意味・わかりやすい解説 バリノマイシンvalinomycin 放線菌から得られる抗生物質の一種で,[ (D-バリン)-(L-乳酸)-(L-バリン)-(D-α-ヒドロキシイソ吉草酸) ]3 という 12個の単位が環状につながっている。抗生物質としてはグラム陽性菌に有効である。高等生物に作用させると細胞膜やミトコンドリア膜のカリウム透過性を選択的に高めるので,イオン輸送などにおける研究手段としてしばしば用いられる。バリノマイシンの輪が膜に入り込んでチャンネルを形成し,そこを,大きさの合致するカリウムイオンが通り抜けるものと考えられる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by