バルビツール酸中毒(読み)ばるびつーるさんちゅうどく

家庭医学館 「バルビツール酸中毒」の解説

ばるびつーるさんちゅうどく【バルビツール酸中毒】

 中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい)(大脳皮質(だいのうひしつ)、脳幹のうかん)など)のはたらきを抑制して、眠りに導く薬です。
 強い副作用があるので、催眠薬としては使われなくなっていますが、抗てんかん薬、自律神経作用薬、強力精神安定剤のなかにバルビツール酸を含むものがあって、これによる中毒がおこることがあります。
[症状]
 血圧低下、ショック、呼吸数の減少、昏睡(こんすい)、体温低下がおもな症状です。
 手、臀部(でんぶ)、膝(ひざ)の内側、足首の外側に水ぶくれができることがあります。
[治療]
 バルビツール酸は胃腸の蠕動(ぜんどう)を抑えるので、長時間、胃の中にとどまっています。このため、事故がおこってから24時間くらいたっていても、初期治療(「医師が行なう中毒の初期治療」)の胃洗浄をします。
 胃洗浄が終了したら、吸着剤の活性炭下剤を胃の中に入れ、再び胃洗浄を行ない、これをくり返します。
 バルビツール酸の種類によっては、強制利尿(きょうせいりにょう)が行なわれることがあります。
 重症のケースや腎障害(じんしょうがい)をともなう場合は、血液浄化が必要になります。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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