日本大百科全書(ニッポニカ) 「バードスネーク」の意味・わかりやすい解説
バードスネーク
ばーどすねーく
twig snake
bird snake
[学] Thelotornis kirtlandii
爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ナミヘビ科のヘビ。別名をアフリカツルヘビともいい、後牙(こうが)類のなかでは数少ない毒性の強い危険種の一つである。アフリカ中部・南部に分布し、全長1.2~1.8メートル。まったくの樹上性で胴も尾も細長く、体背面は木の枝そっくりで、灰褐色地に不規則なまだら模様がある。森林やサバナにすみ、体の前半部を伸ばして枝に見せかけ、知らずに近寄る樹上性のカメレオン、ヤモリ、ヘビ、カエルなどをとらえる。頭部は細長くて吻(ふん)部がとがり、立体的な視野をもっている。敵に対しては頸(けい)部を大きく膨らませて威嚇する。卵生で6~10個の細長い卵を産む。著名なドイツの爬虫類学者メルテンスRobert Mertens(1894―1975)は本種の咬症(こうしょう)により他界している。
[松井孝爾]