内科学 第10版 「パラコクシジオイデス症」の解説
パラコクシジオイデス症(真菌症)
原因菌は二形性真菌のParacoccidioides brasiliensisである.流行地域はブラジルを中心とする中南米で,多くの場合は分生子の吸入により肺感染を起こし全身に広がっていく.肺病変は間質性肺炎から呼吸不全を伴う肺線維症に至る.口腔,陰部などの潰瘍や,頸部などのリンパ節腫脹がみられることも多い.男性に圧倒的に多い.潜伏期がきわめて長い(平均10年以上).診断は菌の培養,病理組織による.抗体検出法も開発されている.治療はアゾール薬を中心とした抗真菌薬を長期服用するが,再発が多い.[亀井克彦]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報