パラメトリック増幅器(読み)パラメトリックぞうふくき(その他表記)parametric amplifier

改訂新版 世界大百科事典 「パラメトリック増幅器」の意味・わかりやすい解説

パラメトリック増幅器 (パラメトリックぞうふくき)
parametric amplifier

マイクロ波帯の増幅を行う装置。印加電圧によって容量が変化する可変容量ダイオードなどの非線形リアクタンスポンプと呼ばれる高周波fpで励振しておき,これにf1という,より低い周波数の信号を加えると,fpから加えた電力pf1fpf1の二つの周波数にpf1/fppfpf1)/fpの割合で分配される。結局f1の信号にfpの電力が乗り移ったことになり,負性抵抗形の増幅作用をもつ。fpf1の電力はアイドラーと呼ばれる共振回路で吸収する。負性抵抗形増幅器のため,サーキュレーターのような方向性結合器が必要。

 リアクタンスは熱雑音を出さないため,パラメトリック増幅器はトランジスター増幅器に比べて低雑音で,衛星通信や電波望遠鏡などギガヘルツ帯の受信機の初段に用いられる。非冷却でもかなり低雑音であるが,微弱な電波の受信機では初段の装置を液体ヘリウムで冷却し,各部の熱雑音を最小にして使用する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のパラメトリック増幅器の言及

【ツル(鶴)】より

…また,見張りの鶴は眠りこまないように片足で立ったり石を食わえたりするとの彼の記述から,後世では職務への忠誠を表す鳥ともみなされるようになった。 ギリシア神話には,χをはじめ数種のギリシア文字を発明したパラメデスが,列をつくって飛ぶ鶴の群れから文字の形を思いついたという話がある。またホメロスの《イーリアス》やアリストテレスの《動物誌》に,ナイル川上流に渡ってくる鶴が,同地に住んだピュグマイオイ(ピグミー)と毎年土地争いを行い,この小人族を大量に殺すとあるが,後世の伝説では鶴をピュグマイオイの天敵とし,この鳥が彼らを滅ぼしたという話にもなっている。…

※「パラメトリック増幅器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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