日本大百科全書(ニッポニカ) 「パール顔料」の意味・わかりやすい解説
パール顔料
ぱーるがんりょう
展色剤中にその結晶が塗装面と平行に配列し、この結果、強い反射と真珠光沢とを生じる顔料の総称。一般の顔料では、展色剤中で光は散乱する。したがってパール顔料は、高屈折率の物質で、平板状結晶であることが必要で、その代表的なものに、白雲母を二酸化チタンTiO2でコーティングした雲母チタン(パール)顔料がある。これは、鱗片(りんぺん)状雲母の表面を二酸化チタン水和物でコーティングし、加熱、結晶化させて得られるが、加熱後に粉砕してはならない。コーティングが厚くなるにしたがい、色調は銀、金、赤紫、青、緑と変化する。各種プラスチック、建材、レザー製品、化粧品、塗料、印刷などに用いられる。ほかに塩基性炭酸鉛、酸塩化ビスマスからできているものもある。
[大塚 淳]