改訂新版 世界大百科事典 「パーロック」の意味・わかりやすい解説
パーロック
Perlohrke
化学繊維のトウ(連続繊維の束)を帯状に広げ,加圧された数対のローラーの間を移動させながら,繊維の配列を乱すことなくランダムに切断し,かつ巻縮加工してスライバーを作る方法。30万~200万デニール程度のトウをまず加熱延伸したのち,2~3回に分けて切断するが,いずれもローラー表面速度の相違によるもので,この切断方法をパーロック式牽切(けんせつ),作られたスライバーを糸にする工程を含めてパーロック式紡績という。この方式でスライバーを作るトウ・リアクターと呼ばれる装置はかなり生産性が高い。トウから糸を作ることをトウ紡績と呼ぶが,トウからスライバーを作る機械として,ほかにパシフィックコンバーターとターボステープラーとがある。前者はあまり使用されていない。いずれも牽切するため熱収縮率が大きいが,これを利用してかさ高糸を作ることもできる。
執筆者:近田 淳雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報